■ 激減する子供レイプ被害者
・現状は?子供レイプ激減。警視庁統計1960年:2000年=10:1
・子供被害者激増中といった煽りは基本的にデタラメ
[グラフ]
幼女強姦被害者数 強姦被害者数
※宮台氏コメント中にパネルの比率が逆であるという訂正があったので画像からは修正してあります。
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■ ゾーニングの顔をした表現規制
・条例はコンビニ仕入れ担当等への行政指導の根拠
・『〜ないように努めなければならない」に注目
・非罰則でも構成要件が不明確なら恣意的運用が
・構成要件が明確で罰則規定がある方がまだマシ
・第7条の規定は場所・時間・内容等の規定なし
・第18条の規定が市民の悪書狩りを奨励する形に
・「親が持ち帰る媒体を子供が見る可能性がある」といった拡張への、厳密な規定による防遏はなし
・構成要件の不明確な"ゾーニング"は表現規制に近い
●条例改正案 第7条
次の各号のいずれかに該当すると認める時は、相互に協力し、厳密な連絡の下に、
当該図書類又は映画等を青少年に販売し、頒布し、若しくは貸し付け、
又は観覧させないように努めなければならない。
●条例改正案 第18条の2
青少年性的視覚対象物...を蔓延させることにより
青少年をみだりに性的対象物として扱う風潮を助長すべきでないことについての
...機運の醸成に努める責務...。
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■ 都の「質問回答集」は基本的に無意味
・法理学の基本原則「憲法は立法意志が全て。法律は条文が全て」
・福田元首相の発言「法律の解釈は前内閣に必ずしも縛られない」
・人事移動、議員改選があれば、官僚答弁も付帯決議も法解釈を拘束せず
・「条例の解釈は誤解」は苦笑。裁判官による「誤解」の可能性を表すから
・「誤解」可能性は官僚による裁量行政(による権力と権益)の余地を意味
・市民と裁判官の別を問わず「誤解」可能性を防遏したもののみ条文に値する
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■ 個人的保護法益と無関連な規制
・保護法益は、明確でなければならない ←行政権力の謙抑性の観点から
・保護法益には、個人的法益と社会的法益がある。
・実在青少年を被写体とする表現は、個人的法益を侵害する。
・この場合の個人的法益とは人権[の自由な行使の前提となる尊厳]である。
・個人決定での出演が将来の禍根を残さぬようパターナルに介入するべし。
・だが非実在青少年の描写で個人的法益(人権)を侵害される当事者は不在。
・ゆえに非実在青少年に関わる「表現規制」は個人的法益を目的とできない。
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■ 非実在青少年に関わる社会的法益の曖昧さ
・非実在青少年に関わる法益は、社会的法益しかあり得ない。
・社会的法益には、人権内在説と人権外在説とがある。
・人権に外在する秩序の利益があるとする人権外在説(刑法175条公序良俗)
→「危険な副作用:運用の恣意性」のパネルを参照
・近代が成熟するにつれ、大半の先進国は、外在説から内在説にシフト。
・人権実現の両立可能性や共通基盤に関わるものを焦点化する人権内在説。
・人権内在説を踏まえると、非実在青少年規制の社会的法益が極めて不明瞭。
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■ ありうる理解その1:悪影響論
・第7条1「犯罪を誘発し...健全な成長を阻害する恐れのあるもの」
・質問回答集「子供の健全な成長が妨げられるのを防ぐため」
・メディアに悪影響を帰責する強力効果切説には学問的根拠がない。
・限定効果:(1)メディアが直接素因を形成することなく、引き金を引くだけ。
・限定効果:(2)対人関係に保護されずにメディアに触れる環境こそが問題。
・表現規制より、メディアの受容環境の制御こそ、主流学説が推奨すること。
・表現規制はあくまで次善策で、受容環境制御こそが最善策。
・だが最善策の努力を放棄して次善策に飛びつくのは行政的怠慢
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■ ありうる理解その2:社会的意思表示論
・法的制裁の機能 (1)犯罪被害抑止 (2)感情的回復 (3)社会的意思表示
・強力効果説の無効ゆえ(1)は問題外。被害者不在ゆえ(2)も問題外。残るは(3)
・(3)社会的意思表示の観点からして描写対象の実在が無関係なのは確か。
・だが問題が2つ (a)代替的意思表示手段の有無 (b)副作用の大きさ。
・(a)大外敵意思表示手段は既に存在する
質問回答集 項目「これまでも...性的な刺激を強く受けるような漫画などについては、」
どの子供の健全な成長が妨げられるのを防ぐため、条例により子供に売らない、」
見せないための取り組みを行なってきました」
・従来の取組で社会的意思表示の実現が不十分だったという証拠は一切ない」
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■ 危険な副作用:運用の恣意性
・代替手段があるにもかかわらず7条2を加えることの、(b)社会的副作用。
・刑法175条への宮台見解「表現規制はやめゾーニング規制にせよ」と同一
・学問的に猥褻物なる実体はなく、社会的文脈が猥褻感情をもたらすだけ。
・非性的たるべき空間に性的なものが持ち込まれる場合生じるのが猥褻感情。
・だから、猥褻物に関わる規制は、社会的文脈の制御だけが合理的である。
・ただし、複雑な社会では感情の動きは一それぞれに多様化せざるを得ない。
・ゆえに、幸福追求権も「不意打ちを喰らわぬ権利」を書き込むのが合理的。
・表現規制の最大の危険:規制対象の如何が表現規制ゆえ検証困難になる事。
・だから、表現規制よりもゾーニング規制のほうがふさわしい
・構成要件不明瞭ゆえ「表現規制」として機能する7条2は市民の検証を阻害
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■ ジャパニーズポップカルチャー固有の危険
・漫画やアニメ表現は年齢判断の恣意性が大きい。
・設定は成人だが子供にしか見えない/設定は子供だが成人にしか見えない。
・「成人なのに子供に見えるキャラクター」は日本の漫画&アニメ表現の真髄。
・設定に関係なく子供に見えることを取り締まれば→日本的表現への死の宣告
・「東京国際アニメフェア」を共催する都としても、恥ずべき無理解の露呈に。
・設定だけが問題なら「これは成人コスプレ」と断われば何でもあり→ナンセンス
・キャラに注目するにせと、設定に注目するにせよ、ナンセンスだけを帰結。
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■「子供を守りたい」のは誰もが同じ!
・「事業仕分け」と同一理論が重要:目的は良いとして、手段はそれで良いか?
・官僚の利権は、良さげな目的に隠れた不合理な手段にこそ、宿る。
・高齢者保護の目的は良いとして、さて、その手段で良いか?
・同様に、青少年保護の目的は良いとして、さてその手段(条例)でよいか
・手段の良悪:(1)事業の良悪 (2)行政関与の良悪 (3)関与仕方の良悪
・子供を守るとの目的は良い。
・(1)事業の良悪:メディア規制は疑問 悪影響論もNG 意思表示論もNG
・(2)行政関与の良悪:社会の関わりを前提にした行政の関わりでない点NG
・(3)関与仕方の良悪:7条2の抱える全体的問題として既に詳述。
・全体として社会をスルーしていきなり行政が登場する点、反市民社会的。
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■ 市民社会の本義:雨漏りバケツ問題
・雨漏りが蔓延すればバケツの重要 →バケツを提供すればOKとされがち。
・だが、屋根の葺き直しこそが本義で、バケツの提供は緊急避難的な弥縫策。
・「社会の自立」を補完するのが行政の役割。社会を行政に依存させてはダメ
・メディアの良悪について親子がコミュニケーションする環境こそが本義。
・「現実の枠」より「表現の枠」が広いのは当然。だからこそ現実を選択可能
・ゆえに「現実」より「表現」に"逸脱"が目立つのは、むしろ社会の常態。
・そして「現実の枠」を超えた「表現」について議論するのが、成員の責務。
「現実の枠」を超えた「表現」を行政が封殺するのは「社会の自立の」自殺
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